長崎県内で結婚や出産をきっかけに住まいを考えるときは、市営住宅の新婚・子育て世帯向けの枠、住宅の購入やリフォームの補助、親世帯との同居・近居の補助、県外からの移住支援など、市町ごとにさまざまな支援があります。ただし、住宅の補助は予算に限りがあり、2026年度は長崎市・佐世保市・大村市などで、すでに受付を終えた補助もあります。
この記事では、長崎県と県内の市町の公式サイトを確認し、新婚世帯・子育て世帯が使える住まいの支援を、2026年10月時点で受付中かどうかも含めてまとめました。引っ越しや家の購入を考え始めた段階で、住む予定の市町で使える支援を確かめるのに使ってください。
- 2026年10月15日に、長崎県と各市町の公式サイトを確認して作成しています。
- 住宅の補助は予算に達した時点で受付を終える場合が多く、この記事で「受付中」としたものも、申請する時点では終わっている可能性があります。必ず市町の窓口に確認してください。
- 公式サイトで内容を確認できなかった市町の制度は、表や本文に入れていません。
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長崎の新婚・子育て世帯が使える住まいの支援は4種類
住まいに関する公的な支援は、大きく次の4つに分かれます。どれも市町が独自に行っているもの(県の移住支援金を除く)なので、住んでいる市町、または住もうとしている市町で何が使えるかを確認するのが出発点です。
| 支援の種類 | 主な内容 | 主な例 |
|---|---|---|
| 市営住宅などの優遇 | 新婚・子育て世帯だけが申し込める枠や、入居の条件の緩和 | 長崎市の新婚世帯向住宅、佐世保市の子育て世帯等の枠 |
| 住宅の取得・改修の補助 | 新築・中古住宅の購入やリフォームの費用の一部を補助 | 時津町の子育て応援住宅リフォーム支援、西海市の子育て応援住宅建築支援 |
| 3世代での同居・近居の補助 | 親世帯と同居・近居するための新築・改修・購入の費用を補助 | 諫早市・島原市・佐々町の3世代同居・近居の補助 |
| 移住・転入の支援 | 県外から移り住む世帯への支援金や引っ越し費用の補助 | 県の移住支援金、長崎市・長与町・佐々町の子育て世帯向け支援 |
結婚した世帯の新居の家賃や引っ越し費用は、国の交付金を使った「結婚新生活支援事業」でも補助を受けられる場合があります。この記事では、それ以外の住まいの支援を中心に紹介します。
市営住宅には新婚世帯や子育て世帯の専用枠がある
市営住宅は、収入が一定の基準以下の世帯が、民間より安い家賃で住める住宅です。長崎市や佐世保市では、新婚世帯や子育て世帯だけが申し込める枠を設けていて、一般の抽選より入居しやすくなる仕組みがあります。ただし、入居には世帯の収入の基準があり、募集の時期も年に数回の定期募集が中心なので、住みたい時期から逆算して募集の日程を確認しておく必要があります。
長崎市は新婚世帯向住宅と子育て世帯向住宅
長崎市は、すみやかに入居する必要性が高い世帯のために、募集する住戸に一定の枠を設けて優先的に扱う「特定目的住宅」を設けています。その中に「新婚世帯向住宅」と「子育て世帯向住宅」があります。
新婚世帯向住宅の対象は、婚姻届を出した日から募集受付期間の最終日の時点で1年を過ぎていない世帯で、婚約者がいる人も含まれます。申込者と配偶者(婚約者を含む)の年齢の合計が70歳以下であることが条件です。子育て世帯向住宅は、小学校に入る前の子どもがいる世帯が対象で、4月に小学1年生になる子どもの世帯は、4月の定期募集では対象になりません。
佐世保市の子育て世帯等の枠と大村市の子育て住宅
佐世保市は、2024年度の第3期の定期募集から、年4回の定期募集の住戸のうち、通園・通学に便利な住戸の一部に「子育て世帯等のみが申し込める枠」を設けています。対象は、18歳未満の子どもがいる子育て世帯(ひとり親世帯は20歳未満の子)と、夫婦(婚約者を含む)のどちらかが40歳未満の「若者夫婦世帯」です。子どもがいない新婚夫婦も、若者夫婦世帯として申し込めます。
大村市には、小学生がいる世帯向けの「子育て住宅」があります。子どもを子育て住宅の通学区域の小学校に通わせることが条件で、入居できるのは一番下の子どもが通学区域の中学校を卒業する年度の3月末までです。収入の基準も一般世帯(月額所得158,000円以下)より緩い214,000円以下になっています。
2026年度に受付中の住宅の取得や同居の補助
家の新築・購入・リフォームや、親世帯との同居・近居にかかる費用の補助は、市町ごとに内容が大きく違います。2026年10月15日時点で、公式サイトに受付中と書かれている主な補助を、子育て世帯の新築・リフォームと、親世帯との同居・近居の2つに分けて紹介します。いずれも予算がなくなると早く締め切られる場合があり、契約や着工の前に申請が必要なものがほとんどです。
子育て世帯の新築や中古住宅のリフォームの補助
子育て世帯の住宅の取得やリフォームに対する補助で、受付中と確認できたのは次のとおりです。
| 市町 | 補助の内容 | 受付 |
|---|---|---|
| 時津町 | 町内に住宅を持たず、申請時に補助を受ける住宅の所在地に住民票がない(転入予定の)、18歳未満の子(出産予定の子を含む)がいる世帯の中古住宅のリフォーム費用の2分の1、上限40万円(工事費20万円以上) | 2026年11月2日まで |
| 対馬市 | 親子でスマイル住宅支援事業。多子世帯や3世代で同居・近居する世帯の新築・改修・取得の費用、上限50万円 | 11月末まで(新築工事は9月末で終了)。予算の範囲内で早期終了あり |
| 西海市 | 子育て応援住宅建築支援事業奨励金。新築住宅を取得する子育て世帯に奨励金 | 2026年度の申請を受付中 |
時津町の補助は、町外から転入して中古住宅をリフォームする子育て世帯向けで、すでに町内に住んでいる人は対象になりません。「親子でスマイル住宅支援事業」は、子どもが多い世帯や、親世帯と同居・近居する子育て世帯の住宅の取得・改修などを補助する事業で、対馬市のほか、南島原市(3世代向け)・長与町・川棚町なども設けています。長与町・川棚町は要綱で制度を確認しましたが、2026年度の受付状況は確認できていません。
親世帯と同居や近居をするときの3世代同居の補助
子育て世帯が親世帯と同じ家に住む(同居)か、近くに住む(近居)ための住宅の費用を補助する「3世代同居・近居」の補助もあります。子育てを親世帯に手伝ってもらいやすくするための制度で、受付中と確認できたのは次の市町です。
| 市町 | 補助の内容 | 受付 |
|---|---|---|
| 諫早市 | 新築・改修・住宅取得の費用の5分の1以内、上限40万円。近居は親世帯の住宅からおおむね半径2km以内 | 2026年12月18日まで(予算に達したら終了) |
| 島原市 | 新増改築の補助。初年度は上限30万円(市内の事業者が工事をすれば上限50万円)、翌年度・翌々年度は固定資産税相当額の2分の1以内(上限30万円) | 予算に達した時点か2026年12月中旬まで |
| 佐々町 | 新築・改修・取得の費用の20%、上限20万円 | 2026年11月30日まで(予算がなくなり次第終了) |
| 南島原市 | 親子でスマイル住宅支援事業。小学生以下の子がいる3世代向けで、対象経費の5分の1以内、上限40万円 | ページの表題は「受付期間中」(2026年4月更新) |
諫早市・佐々町の補助は、子どもがいる世帯だけでなく、子どものいない夫婦で今後子育てを希望する「子育て希望世帯」(夫婦の年齢の合計が80歳以下など)も対象にしています。結婚したばかりで、これから子育てを考えている夫婦も対象になり得るため、親世帯の近くに家を構える予定があれば、申請の前に条件を確かめましょう。
長崎市・佐世保市・大村市は2026年度の受付を終了
人口の多い市の住宅の補助は申請が多く、2026年度はすでに受付を終えたものがあります。公式サイトで受付の終了を確認できたのは次のとおりです。
| 市 | 受付を終えた補助 | 内容 |
|---|---|---|
| 長崎市 | 子育て住まいづくり支援費補助金 | 多子世帯・子育て世帯の中古住宅の改修や取得の費用の一部を補助 |
| 佐世保市 | 子育て応援住宅支援事業補助金 | 子育て世帯が居住誘導区域内の中古住宅を取得する費用の5分の1、最大40万円(予算上限に達して終了) |
| 大村市 | 3世代同居・近居促進事業 | 補助対象経費の5分の1、上限40万円(申請額が予算に達して終了) |
長崎市は、今後予算が確保できた場合のみ、改めてホームページで知らせるとしています。2026年度に受付中の補助も、諫早市は4月7日、佐々町は5月11日に受付を始めていて、年度の初めから申請できるものが多くあります。2027年度に家の購入やリフォームを考えている場合は、年度が替わるころに市町の公式サイトで受付の開始を確かめておきましょう。
長崎へ移り住む子育て世帯への移住支援
市町の外から移り住む世帯には、県と市町の移住支援があります。東京23区に住んでいた人や通勤していた人を対象にした県の移住支援金と、子育て世帯を対象にした市町の補助の2つに分けて紹介します。どちらも、転入した後に移住先の市町へ申請する仕組みで、就業などの条件や、決められた年数より前に転出すると返還が必要になる決まりがあるため、条件を確認してから住む場所を決めましょう。
県の移住支援金は世帯100万円と子1人最大100万円
長崎県の移住支援金は、東京23区に住んでいた人、または東京圏(条件不利地域を除く)から東京23区に通勤していた人が、長崎県内の市町に移り住み、県の就職応援サイトに載った求人への就職などの要件を満たした場合に支給されます。金額は2人以上の世帯で100万円、単身で60万円です。
18歳未満の子どもと一緒に移住する場合は、子ども1人につき最大100万円が加算されます(市町によって扱いが違う場合あり)。対象になる移住先は県内20市町で、時津町は含まれていません。住民票を移す直前の10年間のうち通算5年以上、かつ直前に連続して1年以上、東京23区に住んでいたか通勤していたことなどの条件があり、移住先の市町に5年以上住む意思が必要です。
長崎市・長与町・佐々町・五島市の子育て世帯向けの移住支援
東京圏以外から移り住む子育て世帯にも、独自の補助を出している市町があります。長崎市・長与町・佐々町は長崎県外からの転入が対象で、五島市は市外からの転入が対象です。公式サイトで確認できたのは次のとおりです。
| 市町 | 補助の内容 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 長崎市 | 子育て世帯ウェルカム補助金 35万円 | 長崎県外から転入した、中学生以下の世帯員がいる世帯(移住元で妊娠中も対象)で、仕事をしている人 |
| 長与町 | 子育て世帯移住支援補助金 35万円 | 長崎県外から移住し、就業または創業した、中学生以下の世帯員がいる世帯(東京圏向けの移住支援金とは併用不可) |
| 佐々町 | 子育て世帯移住支援補助金 1世帯50万円(1回限り) | 長崎県外から転入する、中学生以下の子ども(妊娠中を含む)がいる世帯で、県内で就業または創業していること。1年未満で転出すると全額、その後5年までは段階的に返還 |
| 五島市 | 子育て世帯等移住促進の引越し補助。引越し業者に払った費用、上限15万円 | 転入した日に18歳未満の子がいる世帯、妊娠中の人がいる世帯、夫婦とも40歳未満の世帯。転入から6か月以内に申請。移住支援金とは併用不可 |
長崎市・長与町・佐々町は、移住者が仕事をしていること(就業や創業)を条件にしています。五島市の引越し補助は、子どもがいなくても夫婦とも40歳未満なら対象になるため、結婚を機に五島市に移る夫婦も使えます。佐々町は交付申請から1年未満で転出すると全額を返すなど返還の決まりがあり、どの補助も予算がなくなり次第終わるため、移住の時期が決まったら早めに申請しましょう。
若い世帯の家賃を月1万5千円まで補助する雲仙市
家賃の補助を行っている市町もあります。雲仙市の「若者UIターン家賃補助金」は、市外から転入し、転入した時点で18歳以上35歳以下の人がいる世帯を対象に、家賃の2分の1を、月1万5千円を上限に、承認決定日の翌月から連続した12か月補助します。家賃には、管理費・共益費・駐車場代などは含まれません。
定住を目的に転入して3年以上住むことを誓約し、転入届を出した日から90日以内に承認申請をする必要があります。また、同じ年度に雲仙市の結婚新生活支援補助金を受けている場合は対象外です。結婚を機に雲仙市に移り住む場合は、家賃補助(最大で月1万5千円×12か月)と結婚新生活支援の補助のどちらが合うかを、窓口で比べて決めることになります。
結婚新生活支援など他の補助と組み合わせるときの注意
住まいの支援は、ほかの補助と一緒に使えない場合が少なくありません。確認できた例では、長与町の子育て世帯移住支援補助金と五島市の引越し補助は東京圏からの移住支援金と併用できず、雲仙市の家賃補助は同じ年度の結婚新生活支援補助金と併用できません。諫早市の3世代同居・近居の補助は国・県・市などから他の補助金を受けるものを、島原市の3世代の補助は国や県の他の補助金を受けるものを、対象外にしています。複数の補助を考えている場合は、申請する前に窓口で組み合わせを確認しましょう。
また、住宅の購入やリフォームの補助は、契約や着工の前に申請が必要なものがほとんどです。佐世保市は中古住宅の売買契約を交付決定の日以降に行うよう求め、島原市も交付決定の通知を受け取ってから工事の契約・着工をするよう定めています。先に契約すると補助を受けられないため、家や工事会社を決める前に市町に相談しましょう。
結婚新生活支援事業は、長崎県内では2026年度に12市町が実施していて、新居の家賃や引っ越し費用、住宅の購入費などを、多くの市町で夫婦とも29歳以下なら最大60万円まで補助します。結婚新生活支援とこの記事で紹介した支援は、市町によって併用できるものとできないものがあります。新居探しを始める段階で、住む予定の市町の窓口に、使いたい支援をまとめて伝えて確認しておくと、後で申請できないとわかる事態を避けられます。
長崎の新婚・子育て世帯の住まいの支援に関するよくある質問
住まいの支援について、本文で扱っていない点をまとめました。
妊娠中でも子育て世帯として補助を受けられますか?
妊娠中の子どもを含めて子育て世帯として扱う補助は多くあります。長崎市の子育て世帯ウェルカム補助金は移住元で妊娠中だった場合も対象とし、佐々町の子育て世帯移住支援補助金は中学生以下の子どもに妊娠中を含めています。時津町の子育て応援住宅リフォーム支援や佐世保市の中古住宅購入の補助も、母子健康手帳の交付を受けている出産予定の子を含めています。
五島市の引越し補助は、妊娠中で母子健康手帳の交付を受けている人を含む世帯を対象にしています。申請するときは、母子健康手帳など妊娠を確認できる書類が必要になるため、手帳を受け取ってから申請の準備を進めましょう。
子育て世帯とされる子どもの年齢は市町で同じですか?
同じではありません。佐世保市の市営住宅の子育て世帯等の枠は18歳未満の子どもがいる世帯、長崎市の子育て世帯向住宅は小学校に入る前の子どもがいる世帯、大村市の子育て住宅は小学生がいる世帯が対象です。補助では、長崎市・長与町の移住の補助が中学生以下、時津町のリフォームの補助が18歳未満の子どもがいる世帯としています。
諫早市・佐々町の3世代同居の補助のように、子どものいない夫婦でも「子育て希望世帯」として対象にする制度もあります。子どもの年齢によって使える制度が変わるため、子どもの学年が上がる前後に申し込む場合は、申込日の時点の年齢で対象になるかを確認しましょう。
3世代同居の補助の近居とはどれくらいの距離ですか?
近居の距離は市町によって違います。島原市は直線距離200m以内、佐々町は町内に3世代が住んでいれば近居として扱います。諫早市は、本文で紹介したとおり、親世帯の住宅からおおむね半径2km以内です。
対馬市の親子でスマイル住宅支援事業は、新たに同居・近居する世帯が対象で、すでに同居している場合は対象になりません。親世帯の家との距離を地図で測ったうえで、今の住まいの状況も含めて、対象になるかを申請の前に窓口で確認しましょう。

