長崎県内で妊娠がわかったら、産院で胎児の心拍を確認してもらった後、住んでいる市町の窓口に妊娠届を出して母子健康手帳を受け取ります。このとき、妊婦健診の受診票や、国の「妊婦のための支援給付」(最初に5万円、後で子どもの人数×5万円)の案内も一緒に受け取るのが一般的な流れです。
ただ、窓口の場所や予約が必要かどうか、給付の申請方法は市町ごとに違い、予約なしで行ける市もあれば完全予約制の市町もあります。この記事では、県内の市町の公式サイトを確認し、妊娠がわかってから最初の1か月でする手続きを、主な市町の窓口や必要なものと一緒にまとめました。
- 2026年10月15日に、こども家庭庁と各市町の公式サイト・案内チラシを確認して作成しています。
- 窓口の時間や予約の方法は年度ごとに変わることがあります。出かける前に、住んでいる市町の公式サイトか電話で確認してください。
- 公式サイトで内容を確認できなかった市町は、表や本文に入れていません。
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妊娠がわかってから最初の1か月でする手続きは4つ
妊娠がわかった後の手続きは、大きく次の4つです。妊娠届と母子健康手帳の受け取り、面談は窓口への1回の来所で済むことが多く、手帳の交付にかかる時間は30分から1時間ほどです。
- 産院で妊娠を確認してもらい、胎児の心拍を確認する(妊娠届の用紙をもらう)
- 住んでいる市町に妊娠届を出し、母子健康手帳と妊婦健診の受診票を受け取る
- 保健師や助産師との面談を受ける(妊娠届と同じ日に行うことが多い)
- 妊婦のための支援給付(1回目の5万円)を申請する(窓口ではなく、後からオンラインで申請する市町もある)
最初の産院の受診(妊娠判定)の費用には、住民税非課税世帯なら市町によって最大1万円の助成があります。また、妊婦健診の受診票は妊娠届を出した後に受け取るもので、佐世保市のように届け出た時点の妊娠週数で受診票の枚数が決まる市もあるため、心拍が確認できたら早めに妊娠届を出すのが基本です。
妊娠届は主治医の指示を受けてから11週ごろまでに出す
妊娠の届け出は母子保健法で定められていて、妊娠した人は速やかに市町村に届け出ることとされ、市町村は届け出た人に母子健康手帳を交付します。何日以内という期限はありませんが、長崎市は、病院を受診して主治医から母子健康手帳についての指示を受けたら、11週ごろまでに妊娠届を出すよう案内しています。大村市も、国の「健やか親子21」で妊娠11週以内の届け出が勧められているとしています。
妊婦のための支援給付では、医療機関で胎児の心拍が確認できたことをもって「妊娠」と扱い、心拍の確認後に住民票のある市町村へ申請できるとされています(こども家庭庁の案内)。給付の申請も見据えると、妊娠検査薬で陽性が出た段階ではなく、産院で心拍を確認してもらい、妊娠届の用紙を受け取ってから窓口に行くと、手続きを一度で済ませやすくなります。
産院によっては、妊娠届の用紙を渡すタイミングが心拍の確認後になることもあります。用紙を受け取っていない場合や、県外の産院で受診していて住んでいる市町の用紙がない場合は、窓口で記入できる市町もあるため(佐世保市など)、届け出る前に窓口に確認しておきましょう。
主な市町の妊娠届の窓口と予約の有無
妊娠届の窓口は、母子保健を担当する部署で、名前は「こども家庭センター」「すくすく広場」「こどもセンター」など市町によって違います。予約がいらずにその日に行ける市町もあれば、完全予約制の市町もあります。人口の多い長崎市と佐世保市から順に、主な市町の窓口を紹介します。窓口は市町の中に複数あることもあり、近い場所で受け取れるかどうかも市町ごとに違うため、自分の住所でどこに行けばよいかを先に確認しておきましょう。
長崎市は5か所で交付し市役所なら予約不要
長崎市は、市役所のこども家庭センター(魚の町、イーカオプラザ2階)と、西浦上地域センター、東・南・北の各総合事務所の地域福祉課の5か所で母子健康手帳を交付しています。市役所は平日の開庁時間に予約なしで行けますが、それ以外の4か所は予約が必要です。予約は子育て応援アプリ「イーカオ+」か電話でできます。
平日の昼間に行けない人のために、土日や平日の夜間の交付日も設けています。2026年度は、毎月第1日曜日と第3土曜日(原則予約制)に加え、毎週火曜日の午後5時30分から7時までは予約なしで交付しています。面接に30分ほどかかるため、時間に余裕を持って行きましょう。
佐世保市は毎週木曜の朝に予約なしで手帳を交付
佐世保市は、すこやかプラザ4階(高砂町、中央保健福祉センター)の子ども健診室で、毎週木曜日(祝日・年末年始を除く)の午前8時45分から10時15分の受付時間に、予約なしで交付しています。受付時間を過ぎると対応できない場合があるため注意が必要です。宇久地区の人は、宇久保健福祉センターに直接連絡します。
木曜日に行けない場合は、前日までに市のLINE公式アカウントからオンライン予約をすれば、平日の開庁時間内に個別に交付を受けられます。交付には1時間ほどかかり、毎週木曜の交付日には歯科相談や栄養相談も受けられます。なるべく妊婦本人が来所するよう求めていて、代理人が来た場合は、後日、妊婦本人との面談が必要です。
島原市や諫早市などそのほかの市町の受付日時
長崎市と佐世保市のほかに、公式サイトで窓口と予約の方法を確認できた主な市町は次のとおりです。
| 市町 | 窓口 | 受付日時と予約 |
|---|---|---|
| 島原市 | 島原市保健センター、有明保健センター | 平日9時〜16時、日時予約制(予約フォーム) |
| 諫早市 | すくすく広場(アエルウエスト2階) | 水曜〜月曜の9時〜17時(火曜休館)、予約制(電話かアプリ) |
| 大村市 | 大村市こどもセンター | 平日、完全予約制(電子申請で予約と質問に回答) |
| 西海市 | こども家庭センター(市役所第1別館) | 毎週金曜の9時〜11時・13時〜15時、原則予約制(所要1時間程度) |
| 川棚町 | 役場 健康推進課 | 平日8時30分〜16時30分、完全予約制(電話。所要1時間程度) |
| 波佐見町 | こども家庭センター「よりそっと」 | 月2回の指定日、予約制(町のLINEか電話) |
| 佐々町 | 多世代包括支援センター | 第1月曜の8時30分〜12時。都合がつかなければ事前に相談して随時対応 |
大村市・川棚町は完全予約制で、予約なしでの交付は受け付けていません。波佐見町は年度の初めに月2回の交付日を公表しているので、予定日が合わない場合は早めに相談しましょう。表にない市町も、予約制かどうかや受付日が市町ごとに違うため、行く前に電話で確認すると無駄足を防げます。
妊娠届に必要なものと代理人が行く場合の注意
妊娠届に必要なもので共通しやすいのは、産院でもらった妊娠届の用紙(妊娠届出書)、妊婦のマイナンバーがわかるもの(マイナンバーカードか通知カード)、本人確認書類(運転免許証など)です。ただし、西海市はスマートフォンと振込先の口座がわかるもの、川棚町は通帳の写しなども求めるなど、持ち物は市町によって違います。マイナンバーカードがあれば、番号の確認と本人確認を1枚で済ませられます。長崎市は、マイナンバーを記入できないことを理由に届け出ができないことはないとしています。
事前の入力で手続きを短くできる市町もあります。島原市は、妊娠の届け出をマイナポータルからも出せると案内し、問診票を事前に電子申請で入力すれば面談の時間を短くできるとしています。大村市は、電子申請で交付日の予約と質問への回答を済ませ(入力に10〜15分)、予約日に窓口へ行く流れです。
体調が悪いなどで妊婦本人が行けない場合は、代理人でも母子健康手帳を受け取れる市町があります。持ち物は市町で違い、長崎市は妊娠届と代理人の本人確認書類、佐世保市は妊婦本人が記入した妊娠届出書と妊婦のマイナンバーがわかるもの(写しでも可)と代理人の身元確認書類、諫早市と波佐見町は委任状も必要です。ただし、長崎市・佐世保市・川棚町は、代理人が受け取った場合、給付の申請などのために後日妊婦本人との面談が必要としています。
母子健康手帳と一緒にもらえる受診票や情報
母子健康手帳を受け取るときには、妊娠中から出産後に使う書類や情報もまとめて渡されます。中心になるのは妊婦健診の受診票で、医療機関の窓口に出すと、受診票に書かれた検査の費用が上限額まで公費で支払われます。何を渡すかは市町によって違い、受診票のほかに、マタニティマークや子育てのガイドブック、家事代行のクーポンなどを一緒に渡す市町もあります。
妊婦健診の受診票やマタニティマークや子育てガイド
妊婦健診の受診票は14回分が基本で、長崎市は産後の産婦健診の受診票(2回分)も一緒に渡しています。妊婦健診の助成の内容や、里帰り出産で県外の産院を使うときの払い戻しの手続きは、市町によって違います。佐世保市は、手帳を受け取った時点の妊娠週数に応じて最大14回分の受診券を渡すため、届け出が遅れると受け取れる枚数が減ることがあります。
佐世保市は、マタニティマークと『佐世保市子育てガイド』も手帳と一緒に渡しています。長崎市は2026年4月から、母子手帳の交付のときに、対象者に家事代行サービスのクーポン6回分を配っています。市に登録された民間事業者の家事代行(洗濯・掃除・料理など)を1回500円で使える仕組みで、妊娠中から使えます。
紙の母子手帳と一緒に使える市町の母子手帳アプリ
紙の母子健康手帳と併用できるスマートフォンのアプリを用意している市町もあります。健診や予防接種の記録をスマートフォンに残せるほか、予防接種のスケジュール管理や、市町からのお知らせを受け取れるのが主な機能です。
長崎市は子育て応援アプリ「イーカオ+」、佐世保市は「させぼっ子ナビ」(母子手帳アプリ「母子モ」の佐世保市版)、諫早市は「すくすくおやこ手帳アプリ」を用意しています。長崎市と諫早市は、アプリから母子手帳の交付日の予約もできます。佐世保市は、アプリを紙の手帳と併用するよう案内しています。
妊婦のための支援給付は5万円と子の人数×5万円
妊婦のための支援給付は、2025年度から法律にもとづいて全国で実施されている給付です。現金の場合、妊娠の認定を受けた後に5万円、出産予定日の8週間前の日以降に、妊娠している子どもの人数を届け出ると、子ども1人につき5万円が支給されます。双子なら2回目は10万円です。流産や死産の場合も対象になります。現金で受け取る場合の金額は全国共通ですが、給付の名前や申請の方法、振込の時期、現金以外で受け取れるかどうかは市町によって違います。
支援給付の申請の流れと期限は市町の案内を確認
給付は自動では振り込まれず、申請が必要です。長崎市は「イーカオ出産応援ギフト」(1回目)と「イーカオ子育て応援ギフト」(2回目)という名前で、妊娠届のときの面談で1回目の申請を案内し、2回目は生後2か月ごろのこんにちは赤ちゃん訪問のときに案内します。申請の期限は、1回目が胎児の心拍が確認された日から2年間、2回目が出産予定日の8週間前の日から2年間です。
長崎市の振込は月2回で、1日〜15日に受け付けた分はその月末、16日〜月末に受け付けた分は翌月15日です(土日祝日の場合は翌開庁日)。佐世保市は、手帳の交付のときに渡す案内文書の二次元コードからオンラインで申請し、審査に1か月ほどかかります。振込先は妊婦本人名義の口座に限られます。
大村市はデジタル地域通貨でも受け取れる
大村市は、1回あたり現金5万円の口座振込か、デジタル地域通貨「ゆでぴ」のポイント52,500円分かを選べます。ゆでぴを選ぶと2,500円分多く受け取れますが、ポイントは付与日から1年後の月末までに使う必要があり、現金への換金や人への送金はできません。
給付の名前も市町によって違い、波佐見町は「よりそっと給付金」として現金で支給し、妊娠届のときにオンライン申請の案内をしています。名前が違っても同じ国の給付で、現金なら5万円と子どもの人数×5万円です。オンライン申請の二次元コードが入った案内用紙は母子健康手帳と一緒に保管し、なくした場合は波佐見町のように窓口に連絡すれば再度案内してもらえます。
住民税非課税世帯は初回の産科受診料を最大1万円助成
妊娠したかどうかを調べる最初の産院の受診(妊娠判定)は、健康保険がきかない自費の診療になることがあり、保険が使えた分は助成の対象外です。国は、住民税非課税世帯などの妊婦を対象に、この初回の産科受診料を市町村が助成する事業を設けています。公式サイトで助成を確認できたのは次の市町で、いずれも上限は1万円です。
| 市町 | 助成の受け方 |
|---|---|
| 長崎市 | 受診前に子育てサポート課で受診票の交付を受ける(保健師が面談)か、受診後に払い戻しを申請 |
| 松浦市 | 受診前に市へ申請して受診票の交付を受ける |
| 時津町 | 町へ申請して受診票の交付を受け、受診のときに医療機関へ持参。対象は町の委託医療機関(三浦産婦人科)での受診のみ |
| 西海市 | 受診後に申請して払い戻し(実際に払った額、1万円まで) |
| 新上五島町 | 妊娠判定1回につき1万円を限度に助成 |
対象は、住民税非課税世帯や生活保護世帯などに属する妊婦です。長崎市・松浦市・時津町のように、受診前に受診票をもらう方式の市町では、受診票なしで受診すると助成の手続きが変わることがあるため、妊娠検査薬で陽性が出て産院を受診する前に、市町の窓口に相談しましょう。松浦市・時津町・新上五島町は案内ページの更新が2023〜2024年のものなので、表にない市町を含め、受診前に窓口で現在の内容を確認してください。
保健師や助産師との面談で出産までの支援を確認
妊娠届のときには、多くの市町で保健師や助産師などの専門職との面談があります。体調や生活の困りごと、出産までの準備を聞き取り、必要な支援を案内してもらう場で、国の「伴走型相談支援」の一部です。妊婦のための支援給付の申請も、この面談のときに案内されることが多くなっています。
長崎市は、妊娠届のときの面談、妊娠7〜8か月ごろの案内(心配があれば保健師などに相談)、出産後のこんにちは赤ちゃん訪問(生後2か月ごろ)の3回で支援しています。佐世保市も、手帳の交付時に専門職が個別に相談に応じ、妊娠8か月ごろのアンケートで希望すれば面談を受けられます。
長崎市は面接に30分ほど、佐世保市・西海市・川棚町は手帳の交付全体で1時間ほどかかるとしています。波佐見町は妊娠届と届出アンケートをWEBフォームで事前に回答する仕組みで、事前の入力が面談の準備にもなります。窓口の名前は「こども家庭センター」のほか、佐世保市は「すこやか子どもセンター」、波佐見町は「よりそっと」、佐々町は「多世代包括支援センター」と、市町によって違います。
長崎の妊娠届と母子手帳に関するよくある質問
妊娠届や母子健康手帳について、本文で扱っていない点をまとめました。
妊娠中に引っ越したら母子手帳はどうなりますか?
母子健康手帳は引っ越した後もそのまま使えますが、妊婦健診の受診票は新しい市町のものに交換します。長崎市は、転入の手続きが済んだら母子健康手帳を持って子育てサポート課に来れば、長崎市の妊婦健診と産婦健診の受診票を渡すと案内しています。
妊婦のための支援給付は、市町をまたいで引っ越すと前の市町の認定が取り消され、新しい市町で改めて申請が必要です(長崎市・佐世保市の案内)。まだ受け取っていない分がある場合は、転入先の窓口で給付の手続きも確認しましょう。
初回の産科受診料の助成はいつまでに申請すればいいですか?
申請の時期は市町で違います。長崎市・松浦市・時津町は、受診する前に市町に申請して受診票を受け取る方式です(長崎市は受診後の払い戻しも可)。後から払い戻しを受ける方式の市町では、西海市は妊娠判定検査を受診した日から6か月以内、新上五島町は初回の産科受診日から3か月以内が期限です。
期限を過ぎると助成を受けられなくなるため、住民税非課税世帯などで対象になりそうな場合は、領収書を保管しておき、妊娠届のときに窓口で助成の申請もあわせて相談しましょう。
流産や死産になった場合の給付の申請期限は?
こども家庭庁は、妊婦のための支援給付は流産や死産の場合も対象になるとしていて、給付金と相談窓口の案内を別に用意しています。2回目の給付は、妊娠していた子どもの人数分が対象です。
長崎市は、2回目の申請期限を原則として出産予定日の8週間前の日から2年間とし、出産予定日の8週間前に出産または流産・死産している場合はその日から2年間としています。つらい時期に手続きを急ぐ必要はありませんが、期限があるので、落ち着いたら市町の窓口に相談してください。

