長崎の妊婦健診の助成と離島・遠方の通院費助成|市町別まとめ【2026年10月】

長崎の妊婦健診と離島・遠方の通院費助成

長崎県内の妊婦健診は、母子健康手帳と一緒に14回分の受診票が配られるのが基本で、受診票に書かれた検査の費用は上限額まで公費で支払われます。市町による差が大きいのは、里帰り出産で県外の病院を使うときの払い戻しの手続きと、島や遠方に住む妊婦が通院や出産のために払う船賃・宿泊費の助成です。

この記事では、県内の市町の公式サイトとチラシを確認し、妊婦健診の助成の基本と、離島・遠方に住む妊婦向けの交通費や宿泊費の助成を市町ごとにまとめました。妊娠がわかって通院先を考え始めた方や、島の外での出産を控えている方の参考にしてください。

  • 2026年10月8日に、各市町の公式サイトとチラシを確認して作成しています。
  • 公式サイトで内容を確認できなかった市町は、表に入れていません。制度がないという意味ではありません。
  • 金額や条件は年度ごとに見直される場合があるため、申請する前に必ずお住まいの市町の窓口で確認してください。

本サイトは民間が運営する情報メディアであり、長崎県および行政の公式サイトではありません。

目次

長崎県の妊婦健診は受診票14回分で費用を助成

妊娠届を出すと、母子健康手帳とあわせて妊婦健康診査の受診票が14回分渡されます。医療機関の窓口で受診票を出すと、回ごとに決められた検査の費用が、上限額まで公費で支払われる仕組みです。平戸市と川棚町は、14回分の上限額の合計を112,350円と案内しています。

上限額を超えた分や、受診票に書かれていない検査は自己負担になります。川棚町は、トキソプラズマ抗体検査とサイトメガロウイルス抗体検査の費用も助成しています。佐世保市のように、母子健康手帳を受け取ったときの妊娠週数に応じて最大14回分を渡す市もあるため、妊娠届は早めに出しておくと受診票の枚数を最大限受け取れます。

受診票は長崎・佐賀・福岡の医療機関で使える

受診票は、長崎県市町村福祉振興協議会に加入している長崎県・佐賀県・福岡県の医療機関で使えます(平戸市の案内)。佐賀や福岡の病院で健診を受ける場合も、加入している医療機関であれば県内と同じように受診票を出せます。大村市は、長崎県・佐賀県・福岡県以外の医療機関で受けるときに事前の連絡を求めています。島原市も、県外に受診票を使える医療機関があるとして、事前に保健センターへ問い合わせるよう案内しています。

ただし、長崎市は2024年4月1日以降の受診分から、県外の医療機関では受診票を使えなくなりました。佐賀県や福岡県の病院でも、いったん全額を支払い、出産後に払い戻しの手続きをします。同じ「県外」でも住んでいる市町で扱いが違うため、県外の病院を考えている場合は、母子健康手帳を受け取るときに窓口で扱いを確認しておきましょう。

双子以上の妊娠は追加で5回分の健診を助成

双子や三つ子を妊娠した場合は、通常の14回より健診の回数が増えやすいため、追加で助成している市町があります。長崎市は、14回を超えて受けた健診や、健診で自己負担した分について、1回5,000円を上限に最大5回まで助成しています。佐世保市も、14回に加えて5回分の健診を受けられると案内しています。

このほか、西海市(1回5,000円まで・最大5回)、雲仙市(5回まで)、対馬市(1回5,000円まで)も、多胎の妊婦向けの追加の助成を公式サイトで案内しています。追加分の受け取り方は市町によって違います。長崎市と佐世保市は追加の受診票を交付し、西海市は受診後に申請して払い戻す仕組みです。長崎市は受診票を使えなかった分も、最後に健診を受けた日から1年以内に申請すれば払い戻され、西海市は受診日から妊娠終了後1年以内が申請期限です。

里帰り出産で受診票が使えない健診は払い戻しになる

里帰り出産などで、受診票を使えない県外の医療機関で健診を受けた場合は、いったん全額を支払い、あとで住んでいる市町に申請して公費の分を払い戻してもらいます(償還払い)。払い戻しの手続きは市町ごとに決まっていて、公式サイトで確認できた内容は次のとおりです。

市町県外の医療機関で健診を受けたときの扱い
長崎市県外では受診票を使えない。全額を支払い、出産後に還付を申請
佐世保市公費負担分を払い戻し。毎月末日に締め、申請の翌月に支給
平戸市長崎・佐賀・福岡以外の医療機関は立て替え払い。事前に連絡し、受診日から1年以内に申請
大村市長崎・佐賀・福岡以外の医療機関で受けるときは、事前にこども家庭課へ連絡(依頼書の提出)
島原市受診票が使える県外の医療機関もある。使えなかった場合は補助の上限以内で払い戻し
壱岐市受診票を使えない場合があるため、事前にこども家庭センター「いきいろ」へ連絡
川棚町県外の医療機関で受けた健診は償還払い

どの市町でも、払い戻しの申請には健診結果が書かれた受診票と領収書が必要です。受診票は使わずに里帰り先の病院へ持っていき、結果を記入してもらうよう求める市町が多いため、里帰り先が決まったら早めに住んでいる市町の窓口へ連絡しておきましょう。

払い戻されるのは公費で負担する上限額までなので、県外の病院の健診費用が高い場合は、差額が自己負担として残ります。平戸市のように受診日から1年以内と期限を決めている市もあり、申請には領収書の原本などが必要です。出産後にまとめて申請する場合も、健診のたびに受診票と領収書を一緒に保管しておきましょう。

島に住む妊婦の船賃と宿泊費を助成する5市町

産科の医療機関がない島に住む妊婦は、健診のたびに船で本土や大きな島へ渡り、出産が近づくと医療機関の近くで待機する必要があります。こうした船賃や宿泊費を助成している市町は次の5つで、対象になる島と主な金額は表のとおりです。

市町(対象の島)健診の通院出産前の待機緊急に移送されたとき
長崎市(高島・池島)船賃を1回の健診につき最大1万円宿泊費(1泊最大5千円・5泊まで)の3分の2と、船賃(最大2千円)船賃(最大3万円)の3分の2
佐世保市(高島・黒島・宇久)船賃を1回の健診につき8,000円まで宿泊費を1泊5,000円まで・5泊までと、船賃移送費を10万円まで
壱岐市(大島・長島・原島)公共交通の実費を月1万円まで宿泊費の3分の2(1泊5,000円まで・5泊まで)と交通費健康保険の対象外の移送費の3分の2(片道・10万円まで)
小値賀町定期受診の船賃宿泊費を1泊10,000円まで(食費を除く)と船賃移送費を10万円まで
新上五島町本土の港までの往復の船代(島内の陸上の移動は1回600円)リスクの高い分娩として紹介された人などは、宿泊費を1泊7,000円まで・37泊まで公式サイトに記載なし

佐世保市は2026年度から、産後の母親の健診と赤ちゃんの健診(1か月、9〜10か月)で本土へ通う船賃も助成の対象に加えました。新上五島町は、赤ちゃんが低体重などで入院を続ける場合の母親の宿泊費や、家族が本土へ通う船代(5往復分)まで対象にしています。

申請の期限は市町によって大きく違います。小値賀町は出産後1か月以内、長崎市は最後の通院日や入院日などから2か月以内、新上五島町は妊娠が確定した日から出産後4か月以内、壱岐市の三島地区は出産日の翌日から2年以内です。小値賀町は出産後1か月以内と短いため、出産前から船賃や宿泊の領収書をまとめておくと、産後すぐに申請できます。

遠方の産院に通う妊婦の交通費助成は2026年度から

島の中でも産院から遠い地区や、近くに分娩できる施設がない地域に住む妊婦を対象に、2026年4月から対馬市・壱岐市・南島原市・島原市が交通費や宿泊費の助成を始めました。対馬市・南島原市・島原市は、最寄りの産院や周産期母子医療センターまでおおむね60分以上かかる場合や、医学上の理由で遠くの病院を使う必要がある場合が対象です。壱岐市は移動時間の基準を設けず、医療的な理由で市外での健診や分娩が必要と医師が判断した場合を対象にしています。

市町対象になる人交通費宿泊費(出産前の待機)申請期限
対馬市最寄りの産科まで片道おおむね60分以上かかる地区(上県・上対馬の全域など)に住む人と、ハイリスクの妊婦健診(14回まで)と出産の交通費の8割前泊14泊まで(出産後の後泊7日も対象)。1泊2,000円を引いた額健診は最終健診後1年以内、出産は出産後1年以内
壱岐市医療的な理由で市外での健診や分娩が必要と医師に判断された人船・飛行機の運賃(国境離島の島民割引の運賃が上限)最大14泊まで。1泊1万円を上限に、2,000円を引いた額分娩した日から2年以内
南島原市最寄りの産科までおおむね60分以上かかる人と、医学上の理由で周産期母子医療センターなどに通う人実費の8割(自家用車は1kmあたり20円の8割)。健診は14回まで実費(市の旅費条例の額が上限)から1泊2,000円を引いた額出産した月の翌々月の末日
島原市医学上の理由で、おおむね60分以上かかる周産期母子医療センターなどに通うハイリスクの妊産婦運賃や自家用車の費用の8割(タクシーは出産時のみ)。健診は片道12回、出産は片道2回まで助成の対象は交通費のみ健診は受診日から1年以内、出産は出産日から1年以内

南島原市は、自分の希望で遠くの病院を選んだ場合は対象にならないと明記しています。ハイリスクかどうかは医療機関が判断します。壱岐市と島原市は医療機関が記入する証明書が必要で、対馬市と南島原市も、周産期母子医療センターを使った場合などは診療明細書や証明書を添えて申請します。対馬市の上県・上対馬地区のように、妊娠32週ごろから分娩する病院での健診に切り替える場合は、健診の交通費の助成が7回までになる決まりもあります。

離島や半島部では、産院を選ぶときに、健診は近くの医療機関で受け、妊娠後期から出産する病院に切り替える方法もあります。通院や待機にかかる費用がどこまで助成されるかは市町ごとに違うため、出産する病院を決める前に、住んでいる市町の窓口で確認しておきましょう。

長崎の妊婦健診と通院費助成のよくある質問

妊婦健診の受診票や、出産にかかるお金について、本文で扱いきれなかった点をまとめました。

出産後の産婦健診も受診票で受けられますか?

産後2週間ごろと1か月ごろの産婦健診も、長崎市や佐世保市などが費用を助成しています。長崎市は母子健康手帳を交付するときに、妊婦健診の受診票と一緒に産婦健康診査の受診票も渡しています。佐世保市は産後2週間と1か月の2回まで、1回5,000円を上限に助成しています。

佐世保市の産婦健診は、受診時に3種類の質問票を医療機関に渡すことが助成の条件で、そろっていないと対象外になります。県外の医療機関や助産所で受けた場合は、妊婦健診と同じく、いったん全額を払ってから払い戻しを申請します。

妊娠中に別の市町へ引っ越したら受診票はどうなりますか?

受診票は住んでいる市町が発行するものなので、引っ越した後は新しい市町の受診票に交換します。東彼杵町は、転入前の市町村で交付された妊婦健診と乳児健診の受診票のうち、使っていない分を町の受診票と交換すると案内しています。

波佐見町も、母子健康手帳と前の自治体の健診券を持って窓口へ来るよう求めています。転入届を出すときに、母子健康手帳と残りの受診票を一緒に持っていけば、同じ日に交換の手続きもできます。

新上五島町で島外出産するとき上の子の保育はどうなりますか?

新上五島町は、島外での出産に合わせて上の子が広域保育などを使う場合、町内の保育所の枠を最大2か月確保しています(再入所が確約できる場合に限る)。出産に合わせてファミリー・サポートを使う場合は、利用料を減免しています。

減免後のファミリー・サポートの利用料は、7〜19時が1時間200円、それ以外の時間が1時間300円です。宿泊を伴う預かり(ショートステイ)は1日1,100円、宿泊を伴わない預かり(トワイライト)は1日350円で利用できます。

新上五島町には出産費用が一時金を超えた分の補助がありますか?

あります。出産育児一時金は原則50万円で、出産費用がこれを超えた分は自己負担になるのが基本です。新上五島町は2025年10月以降に出産した人を対象に、出産費用が出産育児一時金(50万円)を超えた額の2分の1を、15万円を上限に補助しています。

同町はこれとは別に出産祝金も設けていて、町内に住所がある母親には第1子・第2子で5万円、第3子以降で10万円、里帰り出産をした人には2万円を支給しています。申請には出産費用の領収書と母子健康手帳などが必要です。

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