長崎県の不妊治療の助成|県と21市町の上乗せ・交通費助成まとめ【2026年10月】

長崎県の不妊治療の助成 県と21市町まとめ

長崎県で不妊治療を受けるときは、健康保険に加えて、県の助成と、住んでいる市や町の独自の助成を組み合わせて使えます。県の助成は保険が使えない「先進医療」と不育症の検査が対象で、市町の助成は体外受精などの治療費まで支えるところもあれば、先進医療への上乗せだけのところ、独自の助成が見当たらないところもあり、住む場所による差が大きいのが特徴です。

この記事では、県と県内21市町の公式サイトを確認し、不妊治療と不育症の助成、通院の交通費の助成を市町ごとにまとめました。治療を始める前に、自分が使える助成と申請の期限を確かめるために使ってください。

  • 2026年10月8日に、長崎県と各市町の公式サイト・チラシを確認して作成しています。
  • 公式ページの更新日が古い市町は、表に更新日を書いています。現在も同じ内容か、申請前に窓口で確認してください。
  • 公式サイトで独自の助成を確認できなかった市町は、その旨を書いています。制度がないと断定するものではありません。

本サイトは民間が運営する情報メディアであり、長崎県および行政の公式サイトではありません。

目次

長崎県の不妊治療助成は県と市町の2段構え

不妊治療の費用は、まず健康保険で3割負担になり、そのうえで保険が使えない部分を県が、さらに残った自己負担を市町が助成するという順番で軽くなります。先進医療を受けた場合、市町の助成の多くは県の助成を差し引いた残りを対象にしているため、申請も県、市町の順になります。まずは土台になる保険の範囲と、県の2つの助成を確認しておきましょう。

体外受精も保険適用で年齢と回数に上限がある

2022年4月から、人工授精などの一般不妊治療と、体外受精・顕微授精などの生殖補助医療に健康保険が使えるようになりました。窓口での負担は原則3割で、高額療養費制度の対象にもなります。

ただし、体外受精・顕微授精で保険を使えるのは、初めて治療を始めるときの女性の年齢が43歳未満の場合です。回数にも上限があり、40歳未満は1子ごとに通算6回まで、40歳以上43歳未満は通算3回までと決められています(こども家庭庁のリーフレット)。長崎県内の市町の助成も、多くがこの年齢と回数に合わせています。

保険診療と一緒に、保険がきかない「先進医療」(タイムラプスや子宮内フローラ検査など)を受けると、その部分は全額自己負担になります。この先進医療の費用を支えるのが、次に紹介する県の助成です。

県の助成は先進医療と不育症検査の費用が対象

長崎県が行っている助成は、次の2つです。どちらも、治療を受けた医療機関が県外であっても対象になります。

県の助成助成額主な条件申請先
不妊治療費助成(先進医療)1回の治療の先進医療の費用の7割(上限5万円)治療開始時の妻の年齢が43歳未満。保険診療と一緒に行った先進医療だけが対象県こども家庭課(郵送・電子申請)
不育症検査費助成1回の検査費用の7割(上限6万円)。回数の制限なし流産・死産が2回以上。長崎市と佐世保市に住む人は対象外住んでいる地域の保健所

先進医療の助成は、たとえば先進医療に25,000円かかった場合、7割の17,000円(千円未満切り捨て)が支給されます。2026年度の申請期限は、2027年2月28日までに治療が終わった分が2027年3月31日、3月中に終わった分が4月30日です。医療機関に書いてもらう証明書は作成に時間がかかるため、治療が終わったら早めに依頼しておきましょう。

2026年3月1日時点で、県内で先進医療を行っている医療機関は長崎市の岡本ウーマンズクリニック(タイムラプス・子宮内フローラ検査)だけで、県が近くの県外の医療機関として佐賀県武雄市の谷口眼科婦人科を案内しています。不育症検査の助成の対象になる検査を届け出ている医療機関について、県のページ(2026年6月24日更新)は「2025年3月1日時点で県内になし」と書いたままです。県内で受けられるかは、保健所に確認してください。

市町独自の不妊治療助成は10市町で確認できた

県内21市町のうち、2026年10月8日時点で公式サイトから独自の治療費の助成を確認できたのは10市町です。助成の範囲で大きく2つに分かれ、体外受精などの治療費まで助成する市と、先進医療の費用だけを助成する市町があります。上限額も、先進医療への上乗せだけの市町では1回5万円が中心なのに対し、保険診療まで対象にする市では1回10万〜25万円や1年度15万円などと幅があり、住んでいる市町がどちらに当たるかで受け取れる額が大きく変わります。

体外受精などの治療費まで助成する大村市など5市

先進医療だけでなく、体外受精・顕微授精などの治療費そのものを助成しているのは、次の5市です。

市助成の内容ページの更新日
大村市一般不妊治療・検査の自己負担は1年度5万円まで、生殖補助医療の自己負担は1年度15万円まで、先進医療は県の助成を引いた残りを1回5万円まで。不育症の治療費は2分の1を1年度1回30万円まで(夫婦の所得の合計が730万円未満など)2026年8月28日
壱岐市保険診療の体外受精・顕微授精と男性不妊治療について、医療費と通院の交通費の合計を1回20万円まで2026年6月1日
五島市体外受精・顕微授精・男性不妊治療について、治療費と交通費・宿泊費の合計を1回25万円まで。1子につき6回まで2026年9月4日
南島原市体外受精・顕微授精などは1回の本人負担を10万円まで(1回1万円は自己負担)。一般不妊治療と不育症の検査・治療は1年度10万円まで(1年度1万円は自己負担、通算3年度)2026年4月23日
平戸市生殖補助医療は1回10万円まで、保険適用外の先進医療を併せて行った場合はさらに20万円まで(県の助成を受けた場合はその額を除く)。不育症の治療は1回10万円まで。夫婦とも市内に1年以上住んでいることが条件記載なし

大村市は人工授精や不妊検査などの一般不妊治療も対象にしています。南島原市も、保険適用の有無を問わず、タイミング法や人工授精、不妊の検査、不育症の検査・治療まで対象に含めています。この2市では、体外受精に進む前の段階から治療費の助成を受けられます。

大村市と南島原市は、県の助成や高額療養費、健康保険の付加給付を受けた場合にその額を差し引いた残りを助成の対象にしています。五島市は高額療養費と県の助成を、壱岐市は高額療養費と付加給付を差し引きます。住む期間の条件もあり、南島原市は夫婦のどちらかが市内に1年以上住んでいること、五島市は夫婦ともに市内に住所があることを求めています。

先進医療の費用だけを助成する佐世保市など5市町

保険診療の分は対象にせず、先進医療の費用だけを県の助成に上乗せしているのは次の5市町です。佐世保市・島原市・東彼杵町・佐々町は、県の先進医療の助成を受けていることが申請の条件です。松浦市は、県の助成とは別に先進医療の費用を助成しています。

市町助成の内容ページの更新日
佐世保市先進医療の費用から県の助成額を引いた残りを、1回の治療につき5万円まで2025年8月28日
佐々町先進医療の費用から県の助成額を引いた残りを5万円まで。妻が40歳未満は通算6回、40歳以上43歳未満は通算3回まで2026年7月29日
島原市不妊治療費の領収額から県の助成額を引いた残りを、1回の治療につき5万円まで2024年6月11日
東彼杵町県の助成への上乗せとして、1回の治療につき5万円まで2024年5月8日
松浦市先進医療の費用を1回30万円まで2023年5月14日

島原市・東彼杵町・松浦市は、公式ページの更新日が2023〜2024年のままです。2026年度も同じ内容で続いているかは公式サイトから読み取れないため、治療を始める前に担当の窓口へ確認してください。

離島や市外へ通う不妊治療の交通費を助成する4市町

離島に住む人は、体外受精などの治療のたびに船や飛行機で島外の医療機関へ通う必要があり、通院の交通費が大きな負担になります。治療費とは別に、または治療費とあわせて交通費を助成しているのは次の4市町です。

市町交通費の助成対象になる治療
佐世保市市外の医療機関への通院1回あたり、長崎県・佐賀県1,500円、そのほかの九州4,000円、中国・四国・近畿8,000円、中部・関東・東北・北海道12,000円。1回の治療につき8回まで保険が使える体外受精・顕微授精など(先進医療の有無は問わない)
壱岐市船賃・航空運賃(国境離島の島民割引の運賃)を、医療費とあわせて1回20万円まで保険診療の体外受精・顕微授精と男性不妊治療
五島市船賃・航空運賃と宿泊費(日帰りできない場合のみ、1泊5,000円まで)を、生殖補助医療は治療費とあわせて1回25万円まで生殖補助医療と、タイミング法・人工授精(交通費と宿泊費のみ)
新上五島町通院と入院のときの交通費の一部。1往復を1回として1子につき6回まで。夫婦ともに町内に住所があることが条件一般不妊治療・生殖補助医療・先進医療

五島市の一般不妊治療の交通費助成は、治療費は対象にならず、タイミング法や人工授精で島外へ通うときの交通費と宿泊費だけを助成する仕組みです。体外受精に進む前から使えるため、通院の回数が多い時期の負担を軽くできます。

佐世保市の交通費助成は、令和7年4月1日以降の通院が対象で、ほかの自治体から交通費の助成を受けていないことが条件です。新上五島町は治療が終わった日から1年以内に町の福祉課へ申請します。新上五島町の公式ページには助成額が書かれていないため、金額は福祉課に問い合わせてください。

独自の助成が確認できない市町と相談先の保健所

長崎市の独自の特定不妊治療費助成は、2023年3月31日で終了しています。諫早市は県の助成を案内していて、市独自の上乗せの記載はありません。このほか、長与町・時津町・西海市・雲仙市・対馬市・川棚町・波佐見町・小値賀町も、2026年10月8日時点で公式サイトから独自の治療費の助成を確認できませんでした。新上五島町は、治療費ではなく通院の交通費を助成しています。

これらの市町に住んでいる場合でも、保険診療と県の2つの助成は使えます。独自の助成が新しく始まることもあるため、治療を始めるときに市町の母子保健の窓口へ問い合わせてください。

不妊治療全般の相談は、住んでいる地域を担当する県の保健所で受け付けています。長崎市に住む人は長崎市役所の子育てサポート課、佐世保市に住む人は佐世保市役所の子ども保健課が窓口です。県は、LINEで妊活や体の悩みを相談できる仕組みも設けています。

長崎県の不妊治療助成に関するよくある質問

助成を受けられる人の範囲や、申請の時期について、本文で触れていない点をまとめました。

事実婚の夫婦でも不妊治療の助成を受けられますか?

長崎県の先進医療の助成は、事実婚の夫婦も対象です。申請のときに、2人の戸籍謄本と事実婚であることの申立書を出します。佐々町や五島市の助成も、事実婚の夫婦を対象に含めています。

一方で、市町の助成には「法律上の婚姻」を条件にしているものもあります。南島原市の一般不妊治療・不育治療の助成や、大村市の不育症治療の助成がその例です。同じ市町の中でも制度によって扱いが違うことがあるため、申請する制度ごとに確認しましょう。

福岡や佐賀のクリニックで治療しても助成の対象になりますか?

長崎県の先進医療の助成は、佐賀県や福岡県など県外の医療機関で治療した場合も対象になると明記されています。南島原市の一般不妊治療・不育治療の助成のように、不妊治療を行う医院であれば医療機関を指定しないと明記している市町もあります。

佐世保市の交通費助成のように、市外の医療機関に通うことが前提の制度もあります。県外のクリニックを選ぶ場合は、県や市町の様式の証明書を書いてもらえるかを、治療を始める前にクリニックへ確認してください。

不妊治療の助成はいつまでに申請すればよいですか?

期限は制度ごとに違います。壱岐市・五島市・南島原市の生殖補助医療の助成は、1回の治療が終わった日から1年以内です。大村市と平戸市は、治療が終わった日の年度末(3月31日)までが基本で、大村市は書類がそろっていなくても年度末までに申請書を出すよう求めています。

県の助成を受けてから市町に申請する制度は、県の決定を待つ必要があり、佐世保市は県の承認決定日から3か月以内が期限です。佐世保市の交通費助成は1回の治療が終わった日から3か月以内、県の不育症検査の助成は検査が終わった年度の3月31日までと短めです。妊娠がわかった後に使える妊婦健診の助成とは窓口も手続きも別なので、治療中の領収書は制度ごとに分けて保管しておきましょう。

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