長崎県内で、通院や冠婚葬祭、親の体調不良、育児の疲れなどで子どもを一時的に預けたいときは、保育所の一時預かり、ファミリー・サポート・センター、児童養護施設などに泊まりで預けるショートステイといった公的なサービスが使えます。2026年度からは、親が働いていなくても保育所に月10時間まで通える「こども誰でも通園制度」も始まりました。
この記事では、県内の市町の公式サイトを確認し、それぞれのサービスの対象年齢や料金、利用料の補助を市町ごとにまとめました。預け先の候補を知っておきたい方や、自分の市町ではいくらで使えるのかを確かめたい方の参考にしてください。
- 2026年10月9日に、各市町の公式サイトを確認して作成しています。
- 公式サイトで内容を確認できなかった市町は、表や本文に入れていません。サービスがないという意味ではありません。
- 料金や受け入れの状況は変わることがあるため、利用する前に必ず市町の窓口や施設に確認してください。
本サイトは民間が運営する情報メディアであり、長崎県および行政の公式サイトではありません。
長崎で子どもを一時的に預けられる公的サービスは5種類
子どもを一時的に預けられる公的なサービスは、預ける時間の長さや場所、利用できる理由で大きく5つに分かれます。目的に合ったサービスを選ぶために、まず全体を比べておきましょう。
| サービス | 預ける場所 | 主な対象 | 料金の目安 |
|---|---|---|---|
| こども誰でも通園制度 | 保育所・認定こども園など | 生後6か月〜3歳未満で保育所などに通っていない子 | 1時間300円が標準(無料の市町もある) |
| 保育所などの一時預かり | 保育所・認定こども園など | 保育所などに通っていない就学前の子 | 施設ごとに決まる |
| ファミリー・サポート・センター | 協力会員の自宅など | 主に0歳〜小学生 | 平日昼は1時間700円が中心 |
| ショートステイ | 児童養護施設・乳児院など | 親の入院や病気などで、家庭で一時的に育てられない子 | 1日2,750円〜5,350円(一般世帯の例) |
| 産前産後のヘルパー派遣 | 自宅 | 妊娠中や出産後の家庭 | 1回500円(佐世保市)など |
このほか、子どもが病気のときに預けられる病児保育もあります。どのサービスも、多くは事前の登録や面談が必要で、困った当日にすぐ使えるとは限りません。以下で、それぞれの仕組みと市町ごとの違いを見ていきます。
2026年度に始まったこども誰でも通園制度
こども誰でも通園制度は、保育所などに通っていない子どもが、親の就労の有無にかかわらず、月に決まった時間まで保育所や認定こども園に通える国の制度です。2026年度から本格的に始まり、長崎県内でも長崎市・佐世保市・大村市などが実施しています。すべての子どもの育ちを応援し、よい成育環境を整えることが目的とされ(佐世保市の案内)、親が働いていない家庭も理由を問わずに使える点が特徴です。
対象は生後6か月から3歳未満で月10時間まで
対象は、生後6か月から3歳未満で、認可保育所・認定こども園・幼稚園・小規模保育・企業主導型保育施設などに通っていない子どもです。利用できるのは1人あたり月10時間までで、使わなかった時間を翌月に繰り越すことはできません(大村市・波佐見町の案内)。3歳の誕生日の前々日まで使え、3歳を過ぎてから預けたい場合は一時預かりを使います。
利用するには、まず住んでいる市町に利用認定を申請し、次に希望する施設で初回の面談を受けてから、利用の予約をします。大村市の場合、認定を申請してから予約に使うシステムのアカウントが発行されるまで1週間〜10日ほどかかります。東彼杵町は、国の「つうえんポータル」で施設の空き状況の確認や面談・利用の予約ができると案内しています。受け入れる年齢や時間帯は施設ごとに違うため、近くの施設が何歳から受け入れているかを先に確かめておきましょう。
料金は1時間300円が標準で無料の市町もある
利用料は、子ども1人あたり1時間300円程度が標準です。ただし、市町によって独自の軽減があり、公式サイトで確認できた料金は次のとおりです。
| 市町 | 1時間あたりの利用料 |
|---|---|
| 長崎市 | 標準300円。市民税非課税世帯100円、生活保護世帯0円 |
| 佐世保市 | 300円 |
| 大村市 | 300円程度(施設によって異なる) |
| 平戸市 | 当分の間、市が利用料を負担して無料(1時間300円まで。食事代などは別) |
| 東彼杵町 | 無料 |
| 波佐見町 | 一般300円、住民税所得割77,101円未満の世帯と要支援家庭100円、生活保護世帯0円(2026年4月の開始時の案内) |
平戸市は、新しい制度を早く子育て家庭に定着させるため、保護者が払う利用料を当分の間無料にすると説明しています。どの市町でも、給食やおやつの代金は利用料とは別にかかることがあります。軽減を受けるには課税証明書などの提出が必要で、波佐見町は9月以降に軽減を受ける場合は8月までに別途申請するよう求めています。
保育所の一時預かりは私的な理由でも使える
保育所などの一時預かりは、保育所や幼稚園に通っていない子どもを、必要な日だけ保育所などで預かるサービスです。大村市は、親の仕事や病気だけでなく「その他私的な理由」で家庭での保育が一時的に難しいときにも利用できると案内しています。大村市の一時預かりは就学前の子どもが対象で、月曜から土曜(祝日・年末年始を除く)に、週3日・月14日まで利用できます。
利用料や受け入れの時間、1日に預けられる時間は施設ごとに決まっています。佐世保市は、施設ごとの利用時間や料金、申し込み方法をまとめた「一時預かりのしおり」を公開し、受け入れができない日を一覧で示しています。受け入れの状況は日によって変わるため、実際の空きは施設に直接問い合わせる必要があります。
こども誰でも通園制度と一時預かりは、対象の年齢や料金の決まり方が違います。3歳未満で月10時間以内なら通園制度、3歳以上の子や、1日まとめて預けたい日は一時預かり、というように使い分けられます。初めて利用する施設では事前の面談や登録を求められることが多いので、必要になる前に一度連絡しておきましょう。
ファミリー・サポート・センターは平日1時間700円が中心
ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)は、子育ての手助けをしてほしい人(利用会員)と、手助けをしたい地域の人(協力会員)をつなぐ仕組みです。保育所や学童保育の送り迎え、その後の預かり、親の通院や用事の間の預かりなど、ほかのサービスでは対応しにくい短い時間の手助けに向いています。料金は協力会員に直接払う謝礼で、市町ごとに決められています。
長崎市や佐世保市など主な市町のファミサポの利用料
公式サイトで料金を確認できた市町は次のとおりです。平日の昼間は1時間700円の市町が多く、早朝・夜間や土日祝日は高くなります。
| 市町 | 平日の昼間 | 早朝・夜間や土日祝日 |
|---|---|---|
| 長崎市 | 1時間700円(7〜19時) | 平日の時間外と土日祝日の時間内は800円、土日祝日の時間外は900円 |
| 佐世保市 | 1時間700円(7〜19時) | 平日の早朝・夜間と土日祝日・年末年始は800円 |
| 大村市 | 最初の1時間700円、その後は30分350円 | 最初の1時間800〜900円、その後は30分400〜450円 |
| 平戸市 | 1時間350円(6〜19時、子ども1人の場合) | 早朝・夜間は400円、土日祝日・年末年始は450円 |
| 五島市 | 1時間700円(7〜19時) | 800円 |
| 長与町 | 1時間700円 | 800円・900円 |
平戸市は1時間350円で、ほかの市町の半額ほどの料金です。きょうだい2人を預けると530円、3人なら700円になります。佐世保市には、病後児保育室への送りだけを頼む場合の料金(1時間900円)もあります。料金のほかに交通費や食事代などの実費がかかり、平戸市は送迎で車を使うと1回100円の車使用料がかかります。
ファミサポの会員登録と長崎市・長与町・時津町の相互利用
ファミサポを使うには、事前に利用会員として登録します。登録は無料で、長与町は町の電子申請で登録し、利用の予約は町の公式LINEから行う仕組みです。協力会員になるには研修を受ける必要があり、長崎市では4日間・合計13時間の研修を受けてから登録します。
長崎市のファミサポは、長崎市だけでなく長与町と時津町に住む人も利用会員(おねがい会員)になれます。協力会員(まかせて会員)は長崎市に住む人に限られます。長与町は、勤務先やお出かけ先で預けたい場合のことも案内していて、町と長崎市のどちらのファミサポが使いやすいかを比べておくと便利です。
ひとり親や多胎の家庭はファミサポの利用料に補助がある
ひとり親家庭や双子以上の家庭、妊娠中や出産後の家庭などを対象に、ファミサポの利用料を補助している市町があります。公式サイトで確認できた補助は次のとおりで、利用料が無料や半額、定額になる市町があります。
| 市町 | 補助の内容 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 長与町 | 1世帯で最大24時間まで無料 | 小学生以下の子がいるひとり親世帯、3歳未満の多胎児がいる世帯など |
| 大村市 | 1世帯あたり年間24時間分の利用料 | ひとり親世帯など |
| 諫早市 | 利用料の半額(上限2,000円)を年10回まで | 児童扶養手当やひとり親家庭の医療費助成を受けている世帯、生活保護世帯、多胎児を育てている世帯(2023年2月更新のページ) |
| 五島市 | 妊産婦は1時間250円(時間外300円)で利用できる | 妊娠中から産後8週までの妊産婦(産前42時間・産後81時間まで) |
| 新上五島町 | 2024年4月から利用料の一部を町が助成 | 利用会員(金額は町の利用案内に記載) |
補助を受けるには、多くの場合、ファミサポの会員登録とは別に申請が必要です。五島市は、病気や回復期の子どもを預ける場合の利用料にも、世帯の課税状況に応じた助成を設けています。児童扶養手当やひとり親家庭の医療費助成を受けている家庭は、補助の対象になるか窓口で確認しましょう。
泊まりで預けるショートステイと夜間のトワイライトステイ
親の入院や病気などで、子どもの世話が数日できないときは、児童養護施設や乳児院で子どもを預かる「子育て短期支援事業」が使えます。泊まりで預けるのがショートステイ、夕方から夜の時間だけ預けるのがトワイライトステイです。実施しているかどうかや料金は市町によって違います。
ショートステイは原則7日以内で1日5,350円など
佐世保市のショートステイは原則7日以内で、1日あたりの料金は2歳未満が5,350円、2歳以上が2,750円、親子で入所する場合は4,790円です。所得に応じた減額があり、市内の児童養護施設(若竹の家、清風園)と、大村市の光と緑の園(向陽寮・乳児院)で預かります。2歳未満の子どもは乳児院を利用します。
大村市も利用は7日以内で、一般世帯は2歳未満が1日5,350円、2歳以上が2,750円です。住民税非課税世帯は2歳未満1,100円・2歳以上1,000円、生活保護世帯は無料になります。申請は利用日の2週間前までに行う決まりで、事前に電話で希望日を相談しておくと手続きが進みやすくなります。児童養護施設は市町をまたいで使われていて、住んでいる市町の外の施設で預かることもあります。
トワイライトステイは夕方から夜の時間だけ預ける
トワイライトステイは、仕事で帰りが遅くなる日などに、夕方から夜の時間帯に子どもを施設で預かり、食事や生活の世話をしてもらうサービスです。新上五島町は、家庭での保育が難しい場合に児童養護施設「希望の灯学園」で預かる子育て短期支援を行っていて、利用料はショートステイが1日1,100円、トワイライトステイが1日350円です。出産に合わせてファミサポを使う場合は、利用料を7〜19時は1時間200円、それ以外は300円に減免しています。
五島市も、仕事で帰宅が夜間になる場合に子どもを児童福祉施設に通わせ、生活指導や夕食を提供する事業を案内しています。トワイライトステイを実施している市町は限られるため、必要なときは住んでいる市町の子育て担当の窓口に、実施の有無と近隣の市町の施設を使えるかを問い合わせてください。
産前産後のヘルパー派遣は佐世保市や島原市
妊娠中や出産後で体がつらい時期に、家事や育児を手伝うヘルパーを自宅に派遣してもらえる事業もあります。家族の手助けを受けにくい家庭が主な対象で、公式サイトで確認できた例は次のとおりです。
| 市 | 料金 | 利用できる回数・時間 |
|---|---|---|
| 佐世保市 | 1回500円(事業所に直接払う) | 1回2時間程度で最大8回(多胎児の場合は最大16回)。8〜18時 |
| 島原市 | 1時間400円(利用料800円のうち市が400円を負担) | 月曜〜土曜の8〜18時、1時間単位で各年度53時間まで |
佐世保市は料金を1回1,000円から500円に下げています。対象は、日中に家族などから家事や育児の手助けを受けられない家庭です。島原市の案内ページは2022年に更新されたもので、利用する前に現在の内容を市に確認してください。五島市や長与町のように、ファミサポで産前産後の家事や育児の手助けを頼める市町もあります。
預け先は子どもが元気なうちに登録しておく
ここまで紹介したサービスは、どれも使う前の準備が必要です。こども誰でも通園制度は市町への利用認定の申請と施設での初回の面談、ファミサポは会員登録、ショートステイは利用日の2週間前までの申請(大村市)と、困ったその日にすぐ使えるものはほとんどありません。長崎市のファミサポは、利用会員向けの出張登録会も開いています。
急な用事や体調不良に備えて、近くで使えるサービスを1つか2つ選び、登録や面談を先に済ませておくと安心です。補助の対象になる家庭は、会員登録と一緒に補助の申請もしておきましょう。料金の軽減を受けるために課税証明書などが必要な制度もあるため、書類をそろえる時間も見込んでおく必要があります。
長崎の一時預かりとファミサポに関するよくある質問
子どもを預けるときによく迷う点を、本文で扱っていない内容を中心にまとめました。
きょうだいを一緒にファミサポに預けると料金は高くなりますか?
2人以上を一緒に預けると、1人の場合より料金は上がりますが、2人目以降を割り引く市町があります。平戸市は平日の通常の時間帯で、子ども1人なら1時間350円、きょうだい2人なら530円、3人なら700円です。五島市は、2人以上の子どもを預ける場合、2人目以降の利用料を半額にしています(病児・病後児の預かりを除く)。
きょうだいの年齢が離れていると、協力会員1人では預かれない場合もあります。依頼するときに、預ける人数と年齢、送り迎えの有無を伝え、料金の見込みを先に確認しておきましょう。
ファミサポで病気の子どもを預けられますか?
長崎市・佐世保市・大村市のファミサポは、病気の子どもの預かりはしていないと案内しています。一方、五島市のファミサポは病児・病後児の預かりも援助の内容に含めていて、利用料は1時間800円(時間外は900円)です。
市町によって対応が分かれるため、ファミサポで預けられない地域では、子どもが熱を出したときに備えて病児保育への事前登録も考えておきましょう。
こども誰でも通園制度は申請してからどのくらいで使えますか?
大村市の場合、市に利用認定を申請してから、予約に使う「総合支援システム」のアカウントが発行されるまで1週間〜10日ほどかかります。その後、希望する施設に初回の面談を予約し、面談が終わってから利用の予約ができる流れです。
施設の空きや面談の日程によっては、最初に利用できるまでさらに日数がかかります。利用したい月が決まっているなら、前の月のうちに申請と面談を済ませておくと、月10時間の枠を無駄にせずに済みます。

